テーラワーダ仏教


仏教は、今からおよそ2550年前、お釈迦様(釈迦牟尼仏陀)によって啓かれ、時代の流れとともに、さまざまな流派に分かれて全世界へと広がってゆきました。中国・チベット・朝鮮半島や日本には、お釈迦様の死後数百年経って成立した北伝の仏教(いわゆる大乗仏教)が伝えられました。一方、スリランカ・タイ・ミャンマーなどの出家教団によって継承されている南伝の仏教をテーラワーダ仏教と呼びます(他に初期仏教・上座仏教・上座部仏教、根本仏教・原始仏教などとも云われます)。

 テーラワーダとは、パーリ語(古代インドの言葉)で、長老の;教え、を意味します。テーラワーダ仏教は、お釈迦様の時代から完全に近い形で残されたパーリ語経典に基づいて、多くの比丘(釈尊の教えを実践し、修行した出家僧)と在家信者たちの努力により、二千五百年間の長きにわたって実践され受け継がれてきたお釈迦様の根本の教えなのです。


 日本などいわゆる大乗仏教の諸国では、お釈迦様の初期経典に説かれたヴィパッサナーなどの実践方法が伝わってきませんでした。そのために思弁哲学の学問仏教、あるいは現世利益信仰や儀式儀礼の呪術的宗教になってしまった面もあります。テーラワーダ仏教はいわゆる「小乗」とも「大乗」とも無縁です。ただお釈迦様の説かれた教えとその実践方法の一つ一つを、当時のまま、今日まで伝えてきた純粋な体系なのです。


 お釈迦様が説かれた本来の仏教は、儀式儀礼ではなく、いつの時代でも、生きている私たち人間の心に直接働きかける実践的で役に立つ教えです。ヴィパッサナーや慈悲の冥想といった、お釈迦様の教えられた実践法は、宗派の違いや宗教の枠を超えて、誰でも実践できる幸福の道であるといえましす


ルワンウェリ・サーヤ塔

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